電車や飛行機でのモバイルバッテリー発火のニュース、最近やけに目に入りませんか。
山手線や新幹線での発煙、機内持ち込みルールの厳格化…。
カバンの中に一台入れているあの四角い塊が、ふと気になった方も多いと思います。
かくいう私もその一人でして、「安全そうなやつに替えたいけど、結局どれを選べばいいの?」とうっすら思っていました。
そんな中で出会ったのが、今回の「準固体電池」を採用したモバイルバッテリーです。
結論から言うと、燃えにくさと全部入りの機能を1台にまとめた、なかなか頼れる相棒でした。
ただし、身軽さとは引き換えです。
ホノブ「安全そうなものに替えたいけど、結局どれを選べばいいの?」
——そう思っている方に向けた記事です。私もまさに同じ気持ちでした。
- これって何?:液体電解質をゲル状にした「準固体電池」を採用し、MagSafe・Qi2.2ワイヤレス・内蔵USB-Cケーブルまで詰め込んだ10,000mAhのモバイルバッテリー。
- 誰におすすめ?:①飛行機や新幹線での長距離移動が多く、発火リスクを少しでも抑えたい方 ②ワイヤレスも有線も速く充電したい方 ③充電しながらスタンドで動画も見たい方
- 良いところ:準固体電池の安心感/MagSafe+内蔵ケーブル+USB-C端子の全部入り/iPhoneを概ね2回充電可能
- 注意点:重い・分厚い・大きい(身軽さ最優先の人には不向き)
- どこで買える?:Amazon製品ページへどうぞ


- 準固体電池で燃えにくい
- MagSafe・内蔵ケーブル・USB-Cで3台同時充電できる
- 10,000mAhの大容量
- モバイルバッテリーを充電しながら繋いだデバイスを充電可能(パススルー充電対応)
- スタンドが実用的
- 内蔵ケーブルがループにもなる
- 重さと厚みを感じやすい
- 準固体電池採用のため、一般的なモバイルバッテリーよりも価格が高め



【この記事を書いた人】
ホノブ|30代・2児の父。北海道・函館在住。
東日本大震災を契機に、バッグの中に何かしらのモバイルバッテリーを常備。旅行などでは特に「安心して持ち歩けるか」を一番に求めるタイプ。
今回はメーカー様よりご提供いただいた製品ですが、自腹購入か提供品かにかかわらず、デメリットも正直に書きます。
開封と第一印象|手に取ってわかる”全部入り”の存在感
まずは届いた製品を開封するところから。
カラーはダークグレーの1色です。








このほか、ACアダプターや別体の充電ケーブルも付属しません(充電ケーブルは本体に内蔵されているため、後述のとおり別途用意しなくても本体は充電できます)。
第一印象|無骨で飾らない質感
Satray SSB10proを手に取ってまず感じたのは、「無骨、しかし安っぽくはない」ことです。
触るとプラスチック的な素材感なのですが、見た目にはそれが出ていません。
iPhone 16 Proのブラックチタニウムと並べても、質感の差がぱっと見はわからないくらいカッコいい。
無骨でシンプルな佇まいが好ましいです。


サイズと重さ|iPhoneより重い、その理由
数字で言うと、本体サイズは115×75×18.7mm、重さは実測240g(説明書の公称は235g)。
この「240g」がどれくらいかというと、iPhone 16 Pro(保護フィルム込みで実測212.5g)より重い、と言えば伝わるでしょうか。
手のひらに割とずっしり来ます。




薄型のLUCKYDUO Magon(実測165.5g・厚さ12mm)と並べると、厚みも大きさもはっきり差が出ます。
Satray SSB10proは18.7mmですから、なかなかの分厚さです。






とはいえ、この重さと厚みは、後述する「準固体電池」と「10,000mAhの大容量」の裏返しでもあります。



ちなみに、ここで使用しているスケールは、普段コーヒーを淹れるときに使っているTIMEMOREコーヒースケールです。かっこよくてずっと愛用しています。ガジェットの計量で使うとは思っていませんでしたが(笑)
各部を見る|内蔵ケーブル・スタンド・残量ディスプレイ
本体には、地味に効く要素が詰まっています。
- 内蔵USB-Cケーブル:使わないときは本体のループ(ストラップ)として収まります。別途ケーブルを持ち歩かなくていいのが楽です。
- 隠し式スタンド:折りたたみ式のスタンドが内蔵されています。
- 残量ディスプレイ:0〜100%を数字で表示。側面の角にあり、主張しすぎないのも好印象です。
- USB-Cポート:入力・出力兼用。内蔵ケーブルと合わせて有線の口が2つある形です。








Satray SSB10pro のスペック(説明書より)
第一印象を押さえたところで、公式の取扱説明書に記載された仕様を整理します。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 型番 | SSB10pro |
| 電池種別 | 準固体ポリマーリチウムイオン電池 |
| 電池容量 | 10,000mAh/3.85Vdc/38.5Wh |
| 定格容量 | 7,000mAh(交換効率:有線 85〜90%/ワイヤレス 65~78%) |
| ワイヤレス出力 | 最大25W(25/15/10/7.5/5W・Qi2.2/MPP・EPP・Apple7.5W ほか) |
| USB-C出力 | 最大30W(PD3.0/PPS/QC3.0 ほか) |
| 内蔵ケーブル出力 | 最大30W(PD3.0/PPS) |
| 入力 | 最大24W(Type-C/内蔵ケーブル) |
| 残量表示 | 0〜100% デジタルディスプレイ |
| スタンド | 折りたたみスタンド内蔵 |
| 本体サイズ | 115×75×18.7mm |
| 重量 | 235g(実測は240g) |
| 素材 | ABS・ポリカーボネート・亜鉛合金・シリコン |
| 保証 | 12ヶ月 |
※ACアダプターは付属しません。本体充電には別途USB-C電源が必要です。



「10,000mAh」と「定格7,000mAh」の2つが書いてあって戸惑うかもしれませんが、これは不良でも誇張でもありません。電池そのものの容量が10,000mAhで、実際に取り出せる分(電圧を変換したあと)が7,000mAh、という話です。明記してるだけかなり親切。詳しくは後半のQ&Aで。
準固体電池って、なぜ「燃えにくい」の?
一般的なモバイルバッテリーは、内部に液体の電解質を使ったリチウムイオン電池が入っています。
この液体が、外部からの衝撃や内部のショートで発火・炎上の引き金になりやすい、というのがざっくりした仕組みです。
準固体電池は、その電解質をゲル状にしたもの。
液体をなくす方向へ一歩進めた設計で、万一のショート時にも急激な発熱や発火につながりにくい、とされています。
完全な固体になった「全固体電池」の一歩手前、いわば現実的な過渡期の解、といった立ち位置ですね。
ただし、勘違いしないでほしいのは、「絶対に燃えない」わけではないということ。
本製品も分類上はリチウムイオン電池ですし、説明書にもそう明記されています。
あくまで「従来より発火リスクを抑えた」という理解が正確です。
ここは大事なので、正直に書いておきます。
メーカー提供の「釘刺し試験」映像を見てみる
準固体電池の安全性を語るうえで避けて通れないのが、釘刺し試験です。
電池に釘を突き刺して、発火・爆発しないかを確かめる、あの過激なやつですね。
さすがに自宅で釘を刺すわけにはいかないので(というか刺したくないマジで)、ここはメーカー様から提供いただいた試験映像からキャプチャし、静止画を使って紹介します。
私自身が検証したものではなく、メーカー提供の映像(を基にした画像)である点は先にお断りしておきます。
まずはこちら。
デザインは少し異なりますが、Satray SSB10pro本体とそれに搭載されている準固体電池剥き出しのものとが並べられています(最初の1枚)。
そこから、MagSafeによる充電ができる状態を確認(その後の3枚)。








そして、準固体電池剥き出しの方に、釘を刺していきます😨
2本も刺します😨








最後に、2本の釘が刺さった状態のもので、MagSafe充電できることを確認しています。






私は映像にてこの一連の動作を見ているわけですが、この様に露出させたバッテリーセルに釘を刺しています。
なのに、少なくとも映像で見る限り、炎や爆発はおろか、発煙すら確認できませんでした。
そして個人的に一番すごいと思ったのが、釘が刺さった状態のまま、iPhoneへの給電を続けていたこと。
壊れて当然の状況でも動き続ける準固体電池に、未来を見た思いです。



実使用でバッテリーに釘が刺さる場面なんて、まずありません。というかあってはいけません。でも「その状況でも炎上・爆発しなかった」という事実は、飛行機や新幹線で長時間持ち歩くときの安心感に、確かにつながると思います。
実際に使ってみた(ここからが本番)
ここまでしっかり触れておいてあれですが、安全性はあくまでも入口。
モバイルバッテリーの本質は、やっぱり「どれだけ・どう充電できるか」。
ここからは実機での使い勝手を、正直に。
充電速度:有線が速い、ワイヤレスも実用十分
まず充電速度から。
iPhone 16 Pro(Qi2.2の25W充電に対応する機種です。※iOS 26以降が条件)で計測しました。
- 有線(内蔵ケーブル/USB-C):20%→80%が約1時間(ときどきスマホを使いながら)
- ワイヤレス(MagSafe):20%→80%が約1時間20分(こちらはほぼ操作せず)
条件は違いますが、日常的には有線のほうが速いという結果です。
とはいえ、これはワイヤレス充電全般の傾向でもあり、ワイヤレスが遅くて困る、というほどではありません。
むしろ、Qi2.2対応により最大で25Wの充電速度を実現するわけですから、十分に速いと言えます。
ケーブルを挿す手間なくペタッと貼るだけで充電が始まる手軽さは、やはり快適です。
なお、ワイヤレスのW数そのものは手持ちの機材では正確に測れないため、ここでは所要時間で比較しています。




大容量:iPhoneを2回充電しても、まだ25%残る
10,000mAhの実力も試しました。
iPhone 16 Proを20%→80%まで充電する、を2回やってみたところ、本体にはまだ25%ほど残っていました。
丸一日、充電のことを気にせず過ごせる安心感があります。


3台同時充電:できる。ただし1台あたりは控えめ
このバッテリーの面白いところは、MagSafe+内蔵USB-Cケーブル+USB-C端子の3系統を持っていること。
試しにiPhone(MagSafe)、iPad Air(USB-C端子)、Androidスマホ(内蔵ケーブル)を同時につないでみました。
結果、3台ともちゃんと充電されます。
ただしUSB電力計で測ったところ、3台同時使用時、iPad Airに繋いだUSB-C端子の出力が約7Wまで落ちていました。
まあ、1台の電力を3台で分け合うわけなので、これは仕組み上そういうもの。
「急いで3台とも満タン」ではなく、「まとめてじわじわ」と考えるのが正解です。




iPhoneやiPad Airでは、さすがに「低速充電」と表示されています。
スタンドと内蔵ケーブルの使い勝手
開封で触れた隠し式スタンド、実際に使うと思ったよりしっかりしています。
バッテリー本体の重さも手伝ってか、横向きにしたiPhoneを載せても、そのまま安定して保持してくれました。
充電しながら動画を観る、が快適にできます。


内蔵のUSB-Cケーブルは、充電時にはやや短く感じますが、常に持ち歩くものとしてはこのくらいがちょうどいい長さ。
カラビナなどと組み合わせれば、カバンの外側にぶら下げる運用もできそうです。




何より、別途ケーブルを持ち歩かなくていいのが楽で、このケーブル経由なら最大30Wの急速充電もいけます。
ケーブル自体も頑丈な印象でした。
発熱・低電流モード・パススルー
充電中の発熱は、Satray SSB10pro側はほとんど気になりませんでした。
むしろ充電されているiPhoneのほうが熱いくらいです。
イヤホン用の「低電流モード」(電源ボタン長押しで切替)も搭載していますが、AirPods Pro 3は通常モードのままでも問題なく充電できました。
もちろん低電流モードでもOKです。


パススルー(本体を充電しながらスマホも充電)も動作を確認済み。
本体をUSB-Cで充電しながら、MagSafeや内蔵ケーブルでiPhoneを充電できました。
※説明書によると、パススルー中はワイヤレス出力が5Wに制限されるとのことです。


気になるところ:とにかく「重い・分厚い・大きい」
正直に。
このバッテリー、重くて分厚くて大きいです。
実測240g、厚さ18.7mm。
開封のところで触れたとおり、iPhone 16 Proより重く、薄型のLUCKYDUO Magonと並べると差は歴然です。
しかしそれもそのはず、LUCKYDUO Magonは一般的なリチウムイオンバッテリーを搭載しています。
薄さや軽さを追求しやすい設計。
Satray SSB10proは準固体電池な上に10,000mAhの大容量。
安心感と引き換えなので仕方のない部分ではありますが、「毎日ポケットや小さめバッグに入れて身軽に」というサイズ感ではありません。
なので私の結論としては、普段の市内移動には小型軽量のバッテリーを、出張や旅行にはこのSSB10proを、という使い分けが似合うと思います。
長距離移動こそ、準固体の安心感が効いてきますから。
よくある質問(FAQ)
Q. 本当に「発火しない」の?
A. 「発火しない」とは言えません。準固体電池は従来のリチウムイオンより発火・爆発のリスクを抑えた設計ですが、リスクがゼロになるわけではありません。あくまで「燃えにくい」とご理解ください。
Q. 飛行機に持ち込める?
A. 本製品は38.5Whで、機内持ち込みの目安である100Wh未満なので持ち込み可能です。ただし2026年4月24日からのルールで、1人あたりの個数制限(原則2個まで)や、機内での使用・充電の禁止などがあります。最新のルールは各航空会社・国土交通省の案内をご確認ください。
Q. 「10,000mAh」なのに「定格7,000mAh」なのはなぜ?
A. 電池そのものの容量が10,000mAh、実際に機器へ渡せる容量(電圧変換後)が7,000mAhです。交換効率85〜90%による通常の仕様で、不良や誇張ではありません。モバイルバッテリー全般に共通する話です。
Q. 長期保管のコツは?
A. 残量0%のまま長期間放置すると劣化の原因になります。説明書では3ヶ月に1回程度の充電が推奨されています。
Q. 使い終わったらどう捨てる?
A. 半個体とはいえリチウムイオン電池なので、お住まいの自治体の指導に従って処分・リサイクルしてください。
総合評価:安心感と全部入りを、身軽さと引き換えに
良かった点は、なんといっても準固体電池の安心感と、MagSafe・内蔵ケーブル・USB-C・スタンドまで詰め込んだ全部入りの利便性。
10,000mAhの余裕もあり、長距離移動のお供として頼りになります。
気になる点は、重い・分厚い・大きいの三拍子。
身軽さを最優先する人には向きません。
- 出張や旅行が多く、移動中の発火リスクは抑えたい人
- ワイヤレスも有線も1台で済ませたい人
- 充電中にスタンド機能を使いたい人
- とにかく薄く軽くしたい人
- コスパ最優先の人
- ノートPCをガッツリ充電したい人(MacBook Air等低電力ノートPCへの充電には対応しています)
まとめ:迷ったら「移動の安心料」として
Satray SSB10proは、使ってみて納得の一台でした。
正直、第一印象は「分厚いなあ」です。
でも使ううちに、その重さは準固体電池の安心感と大容量の裏返しなのだと腑に落ちました。
スペック表だけでは伝わらない価値は、「発火のニュースを見ても、カバンの中のこいつはちょっと信頼できる」という、
移動中の心の軽さかもしれません。
身軽さは差し出す代わりに、安心を持ち歩く。
普段使いは別の薄型に任せて、これは旅の相棒に。
使い分けで活きる、そういうバッテリーです。






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